越境しよう
組織の中に長くいると、その会社独自の文化や常識が、いつの間にか「世の中の当たり前」だと錯覚してしまいます。これは多くの社会人が無意識に陥る状態です。
組織の常識は、世間の常識とは限らない
会社という組織は、良くも悪くも閉じた世界です。長く所属していると、その中で通用する価値観やルール、暗黙の了解が当たり前になります。しかし一歩外に出ると、それがまったく通用しない場面に出くわします。
社外の人と同じ感覚で話しているつもりでも、驚かれたり、逆にこちらが驚いたりすることもあります。転職や異動、外部プロジェクトなどを経験した人ほど、このギャップを実感しているはずです。
つまり、普段の「当たり前」は、その組織の中だけのものに過ぎません。自分がいる会社の常識や非常識を、定期的に相対化することが重要です。
社外に出ることで得られる視点と学び
私は社会人1年目の頃、当時流行していたネット掲示板で社会人サークルを見つけ、複数のコミュニティに参加しました。卒業年度でつながる会や、年齢を問わない社会人サークルなどで、呑み会や週末イベント、メーリングリストでの交流がありました。
その後も、自分でテニスサークルを立ち上げて10年ほど主宰したり、丸の内朝大学に7年ほど参加したりと、社外の人との接点を意識的につくってきました。
社内の付き合いは、仕事や上司の愚痴が中心になりがちですし、ゴルフ人口が多い会社だと、ゴルフをしない私のような社員からすればつまらない。
そうした場が合わない人にとって、社外の交流は非常に居心地がよいものです。
何より、他社の人と話すことで、その会社の働き方や価値観、人材の特徴などを自然に知ることができます。これは社内に閉じこもっていては得られない、大きな学びです。
越境しない組織にイノベーションは生まれない
外部との接点を持たない組織では、新しい発想や業務改善は生まれにくくなります。イノベーションは、異なる視点や知識が交わることで初めて芽生えます。
社員を組織の中に縛り付け、外の世界と切り離してしまえば、考え方は内向きになり、変化への耐性も弱くなります。外部の刺激を遮断した状態で、創造性や革新性を期待するのは現実的ではありません。
社外との交流を認め、むしろ後押しする組織の方が、結果的に強くなります。越境は個人の成長だけでなく、組織の健全性や持続的な成長にも直結します。
だからこそ、意識的に外に出ること、越境することが大切です。これは特別な人だけの話ではなく、すべての社会人にとって必要な行動だと思います。

