「やって当たり前」と言われる人事という仕事があまり報われない理由
人事の仕事は、会社を支える重要な役割でありながら、評価されにくく、孤独を感じやすい仕事でもあります。長く人事に携わってきて、正直しんどかったことは少なくありません。
人事は「従業員の味方」ではなく「会社の側」に立つ仕事
会社の中での人事の立場は、誤解されがちですが、基本的には従業員の味方ではありません。人事はあくまで会社、つまり経営者の側に立つ役割です。社員を守りたい気持ちがあっても、最終的に優先されるのは会社としての判断です。
社員を経営者に代わって管理しつつ、同時に働きやすい環境を整える。その両立は想像以上に難しく、常に板挟みになります。社長の「こうしたい」「こうありたい」という思いを制度や仕組みに落とし込むのが人事・総務の仕事ですが、それが現場に歓迎されるとは限りません。
社長の一声で、すべてがひっくり返る
働き方改革を進めたい、テレワークを導入したい。現場の空気が整い、制度設計まで終わっても、社長が反対すればそれで終わりです。特にワンマン経営であれば、その傾向はより強くなります。
人事は変化を促す立場でありながら、最終決定権を持たない。だからこそ、やりきれなさが残ります。良かれと思って進めたことが、経営判断ひとつで廃案になる。その繰り返しは、精神的にかなり堪えます。
失敗は許されず、成功しても評価されない仕事
人事の仕事は「やって当たり前」と思われがちです。ミスをすれば即マイナス評価ですが、問題が起きなければ評価されない。たとえば給与や社会保険の金額数円でも間違えようものなら厳しく責任を問われます。
野球で言えばキャッチャーのように、失点すればピッチャーではなくキャッチャーの責任、抑えても感謝されない役回りです。ただでさえ間接部門は直接部門より給与水準が低いことも多く、割に合わないと感じる場面もあります。
普通に人事をやっているだけでは、楽しい仕事とは言えません。だからこそ、人事評価とは別に、自分なりの目標を持つことが大切です。今日は何をするのか、今月・今年は何を成し遂げるのか。自分自身でやりがいを見つけることで、仕事を少しでも前向きに続けられると思います。
決して「報われない」だけではないので、人事をやっていてよかったことなどは、後日書きたいと思います。

