「お友達価格」はしないほうがいい

ビジネスで「お友達価格」を持ち込むと、信頼関係や仕事の価値を損ねる危険がある。会計を曖昧にせず、適正な価格でやり取りしましょう。
お友達価格がもたらすリスク
「せっかだから安くしてよ」とお願いされることは、独立して仕事を始めると誰もが一度は経験します。
たしかに友人や知人から頼まれるのは嬉しいことですが。
しかし「お友達価格」にしてしまうと、そこから生まれるのは感謝よりも「この人は安くしてくれる人」という認識をもたれてしまいます。
値引きを一度すると、それが当たり前になりやすいです。
最初は特別にしたつもりでも、次からも当然のように同じ価格を求められ、さらに相手は「他の人にも安くやっているのだろう」と思い込むかもしれません。
そうなると、提供しているサービスの本来の価値が伝わらなくなり、自分自身の評価を下げることにつながります。
お金の話を避けて友情を優先させたつもりでも、結局は関係がこじれるきっかけを作ってしまう。
会計をきちんとすることの意味
ビジネスで「仲がいいから」「昔からの付き合いだから」という感情を持ち込むと、どうしても不公平感が生まれます。
お互いに気を遣いすぎたり、逆に不満を募らせたりすることは避けられません。
適正な価格でやり取りをすることは、単なる金銭の問題ではなく「責任の所在」を明確にすることでもあります。
きちんとお金を受け取るからこそ、依頼した側も本気で成果を期待し、依頼された側も全力で応える。
このバランスがあって初めて、健全な仕事関係が築かれます。
正しい価格設定が信頼を築く
価格は、自分が積み重ねてきた経験や知識、そして時間の価値を反映したものです。
大幅な値引きは、それらを軽んじているのと同じです。
むしろ正しい価格でやり取りを続けることで、「この人は自分の仕事を大事にしている」「信頼できるプロだ」という評価が定着していきます。
本当に応援してくれる人は、価格ではなくその価値を理解して支払ってくれます。
もし「高い」と言われて去っていくのであれば、それは縁がなかったと割り切るべきです。
お金のやり取りをきちんと行うことは、自分のビジネスを守るだけでなく、相手に対する誠実さの表れでもあります。