コラム
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「美徳」はアップデートするもの

eguyan
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「日本人の美徳」として語られる価値観には、長い歴史の中で育まれてきた良さがあります。
ただし、それらすべてが現代社会においてもそのまま通用するとは限りません。
中でも「我慢」「忍耐」を過剰に美化することは、個人にも社会にも悪影響を及ぼすケースがあります。

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時代に応じて、美徳は変わる

日本では長年、「和を乱さない」「空気を読む」「目上に従う」といった態度が美徳とされてきました。
特に昭和から平成初期の企業社会では、集団の中で調和を保ち、波風を立てないことが正義とされていました。
しかし、働き方や価値観が多様化し、個人の尊重が重視される今、それらの価値観が必ずしも好ましいものとは言い切れない時代になりました。

価値観や行動様式は、社会の構造や課題に応じて変わるものです。
かつて正しかったものが、今では時代遅れになってしまうこともあるのです。
美徳とされてきたからといって、絶対的に正しいとは限りません。

我慢はもう美徳ではない

「忍耐強い」「辛抱できる」といった言葉は、日本人の美徳として称賛されてきました。
仕事で無理をしても、上司や組織に従ってさえいれば評価される。多少の理不尽にも耐えてこそ一人前。そうした文化の中で、我慢を続けた末に心身を壊してしまう人も多いです。

実際、「声を上げたら迷惑をかける」「空気を読まずに異議を唱えるのは悪」といった同調圧力が、パワハラや長時間労働を助長してきた事例もたくさんあります。
こうした状況は、企業の健全性を損なうだけでなく、人材の定着やモチベーションの低下にもつながります。

いま求められているのは、「声を上げること」や「改善を提案すること」を評価する風土です。
耐えることに価値を置くのではなく、変えるために動くことをこそ美徳としていかなければ、持続可能な職場づくりは難しくなります。

新しい時代の「美徳」を選び直す

これからの時代に求められるのは、「無理をしない」「自分の気持ちを大切にする」「率直に意見を伝える」ことです。
こうした行動は、決してわがままではなく、むしろ、周囲との健全な関係を築くための基礎です。

また、「違いを認める」「多様な価値観を受け入れる」といった意識も重要です。
これまでのように、みんなが同じ方向を向く必要はありません。
それぞれの強みを活かし、補い合う組織こそが、変化の時代に強くなります。

美徳も、時代によって変わっていくものです。
だからこそ、過去の価値観を鵜呑みにするのではなく、自分自身の中で問い直し、今の時代にふさわしい「行動指針」として選び直すことが大切です。
社会や組織のあり方をアップデートしていくためにも、まずは一人ひとりが「何を大切にするか」を見直していきましょう。

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EGUYAN
富山県富山市生まれ、埼玉県川越市育ち、現在も川越在住。 ワーケーションソリューション(Well is)代表 日本産業カウンセラー協会認定産業カウンセラー。 野球と旅とまいう〜と。がモットー。
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