報連相しやすい環境をつくるのが上司の仕事
職場での「ほうれんそう」がうまく機能しない理由は、言いづらい環境にあります。
「ほうれんそう」がしにくい現状とは?
新人研修で必ずと言っていいほど教えられる「報・連・相」(ほう・れん・そう)。
これは「報告」「連絡」「相談」の略で、1982年に山崎富治氏によって提唱されたものだそうです。
「もっと、上下の報告がキビキビと行われないものか、左右の連絡がスムーズに取れないものか、上下、左右にこだわらない腹を割った相談がなされないものか」との思いから生まれたこの言葉ですが、現実はどうでしょうか?
<参考:株式会社かえる 「ほうれんそう」の本当の意味|昭和に学ぶ経営学>
多くの職場では、部下が自ら進んで報告や連絡、相談をするのが難しい状況が続いています。
ミスを報告する際、上司に怒られることを恐れ、報告を躊躇してしまう部下が少なくありません。
私自身もサラリーマン時代、ミスをしたことを報告すると、「どうすればいいか自分で考えろ」と言われることが多く、結局は「自分で対処法を考えて、自分で責任取れ。私は知らない」という態度を取られました。
連絡すると、「あ、そう。で?」と返され、相談をしようとすると怒られてしまう。
このような環境では、部下が進んで報告したくなるはずがありません。
言いやすい環境を作るための上司の役割
報連相がうまく機能しない要因の一つに、上司と部下のコミュニケーションの断絶があります。
言いづらいことを抱えたままの部下は、ミスや問題を隠し、結果として組織全体に悪影響を及ぼすことになります。
そんな状況を防ぐために、上司が率先して「言いやすい」環境を作ることが求められます。
具体的には・・・
定期的なミーティングをする
報連相はその名の通り「報告する」「連絡する」「相談する」行為であって、説教を受ける場ではない。
部下が意見や悩みを共有しやすい場を定期的に設け、上下関係に関わらず自由に発言できる雰囲気を作る。
ポジティブなフィードバックを
ポジティブなフィードバックを積極的に行い、改善が必要な点は建設的に伝えることで、部下が成長を感じられるようにする。
いつでも相談できるようにする
部下がいつでも相談できるよう、上司は「ドアを開けておく」姿勢を持ち、日常的にコミュニケーションを促すことが大切。
報連相を組織の力に変える
最終的に、報連相が組織全体で機能するかどうかは、上司の取り組みにかかっています。
さっきも書きましたが、部下が説教を受ける場でもないし、上司が尋問する場でもありません。
部下が安心して報告や相談ができる環境を整えることで、組織全体のコミュニケーションが向上し、結果的にミスが減り、業績の向上にも繋がります。
上司が率先して、言いやすい環境を作ることで、部下も自然と報連相を実践するようになります。
そして、これが企業文化として根付くことで、組織全体が一体となり、より良い結果を生み出すことができるのです。
上司としての責任を持ち、部下にとって言いやすい、相談しやすい環境を作っていきましょう。