嫌いな人とのコミュニケーション

仕事上で、嫌いな人や苦手な人との付き合いほど、消耗するものはありません。相手がどの立場にある人かによって対処の方法は多少変わりますが、ここでは同じ会社の人を想定してまとめます。
嫌いな人と付き合うほど辛いものはない
元々私は、コミュニケーション能力に長けているわけではなく、どちらかといえば苦手な方です。
特に前職時代、直属の上司である部長とは犬猿の仲で、お互いに嫌っていました。部長の存在があるだけで毎日会社に行くのが本当に憂うつでした。
部長は出世のために上層部にこびを売り、他部署の同僚や後輩には高圧的な態度を取るような人でした。
(悪いところばかり目が行きすぎますが、決して100%悪魔ではなく、少しはいいところはありました)
社内での評判も決して良いとは言えず、私の部署(人事・総務)に用がある人は、まず私に声をかけてくれることが多かったです。私は大半の人と良好な関係を築けていましたが、ごく一部には話しづらい相手もいました。
部長とは一日中一言も口を利かない日も珍しくありませんでした。
途中で部長の全食事代の元部下が同僚として入社・配属され、ある意味で緩衝材のような役割を担ってくれました。
同い年ということもあり相談もしやすく、彼自身も部長との関係に苦労していたので、互いに愚痴をこぼし合いながら何とかやり過ごしていました。もし彼がいなかったら、もっと早く会社を辞めていたでしょう。
無理に話す必要はないけど・・・
コミュニケーションに関する多くの指南書では、相手の長所に目を向けよ、悪い点があれば謝罪せよ、などと書かれています。
関係改善を目指したい場合には有効ですが、私と部長のように修復不能な関係までこじれてしまうこともあります。そうなれば、無理に歩み寄る必要はありません。
挨拶程度は最低限交わしたほうがよいですが、業務上の話は極力別のルートを通すのが安全です。
信頼できる同僚や、さらに上の上司がいれば、そこを経由したほうが精神的にも安定します。
私の場合も、挨拶をしても返事がないことがほとんどでした。たまに機嫌がいいときにだけ返ってくる程度で、無理に対話の糸口を探すこと自体がストレス源でした。
自分の心を守ることを優先する
嫌いな人とのコミュニケーションで最も大切なのは、自分の心を守ることです。相手に合わせて無理をすれば、必ず心身に負担が蓄積します。嫌いな人にエネルギーを使うより、信頼できる人との関係を深めたり、自分の仕事に集中したりするほうがはるかに建設的です。
社内において完全に関わりを絶つことはできなくても、距離の取り方は工夫できます。メールやチャットを中心にする、必要以上に雑談をしない、第三者を介してやり取りするなど、自分なりのラインを決めておくと気持ちが安定します。
嫌いな相手にどう対応するかで悩みすぎると、仕事そのもののパフォーマンスにも悪影響が出ます。割り切りと距離感を大切にし、自分にとって安心できる環境を少しずつ整えていくことが、長く働き続けるうえで不可欠です。