自分の得意分野は、他人にとっては不得意って人、意外と多い
周りを見渡すと「これ、みんな普通にできるよね」と思い込んでいたことが、実は他の人にとっては大きなハードルだった──そんな経験はありませんか。得意は、人によってまったく違うものです。
得意は“当たり前”ではないと気づく瞬間
元テレビ朝日アナウンサーで、現在はスタートアップ企業で執行役員をされている大木優紀さんが、アナウンサーの仕事を離れて強く感じたことのひとつに、「みんな(現在の同僚)、こんなに喋れないんだ」という驚きがあったそうです。
アナウンサー同士で話していると、話すことも聞くことも高度なレベルで当たり前にできる。だからこそ、違和感に気づかない。
でも一歩外に出ると、コミュニケーションの基礎スキルそのものが大きく違う。
これは、人事や総務などの管理部門でも同じです。
自分の周りはみんな同じ職種なので、「これぐらい知ってて当然」で会話します。でも、たとえば営業部門の同僚は人事の専門知識なんてほとんど持っていません。
だからこそ、専門知識を前提に話すと「なんのこっちゃわからない」状態になる。
実務では、専門性そのものよりも「相手に合わせて、いかにわかりやすく伝えるか」が求められるのだと思います。
大木さんは「アナウンサーのスキルは数字で測れないので、キャリアシートに書きづらい」と話していますが、人事・総務の仕事も同じです。
“売上◯億”のような派手な成果はなくても、「聞く力」「話す力」「空気を読む力」「調整力」「正確性」など、どれも組織に不可欠なスキルなのです。
得意分野を“掛け合わせる”と唯一無二になる
とはいえ、私自身、人事として特別優秀だったわけではありません。
でも、得意を掛け合わせることでその人だけの専門領域が生まれます。
私の場合
- 人事・総務
- IT(元SE/社内SE)
- 地域活性化
- 野球
- グルメ
- 国内旅行(地理)
- 鉄道
このあたりが得意・詳しい分野としてあります。
「人事×IT」を強みにできる人は意外と多くありません。
そこに「地域活性化への実務経験」が入ると、一気に希少性が高まります。
さらに、他の好きな領域や経験を組み合わせていくと、どんどん“その人にしか語れない領域”ができていく。
これがとても大事なんだと思います。
「得意分野は1つじゃ弱いのでは?」
そんな不安を持つ人もいますが、実は逆です。
ひとつの得意を深めつつ、別の得意と掛け合わせた瞬間、あなたの専門性は唯一無二になります。
得意を伸ばし、不得意は“引きずらない”
これから受験シーズンになりますが、この時期になるとよく思うのが、
不得意を完全に捨てる必要はないけれど、そこに勉強時間を全部注ぐ必要もないということです。
社会人になってもまったく同じです。
不得意は最低限クリアすればいい。そこで戦おうとすると、心も時間も削られます。
それよりも、
「自分の得意分野を伸ばして、高得点が取れる領域で勝負する」
これこそがキャリア戦略としてもっとも効率がいいやり方です。
周りと比べると、どうしても“できない部分”に目が行きがちですが、
実はあなたの得意は、他の誰かにはとても真似できない力かもしれません。
得意を磨く。
そして、それを掛け合わせる。
その積み重ねが、自分の市場価値を一気に引き上げるのだと感じています。
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