金メダルの感化された管理職・経営者に伝えたい、真のリーダーシップとは

オリンピックでの金メダルに感化される管理職の皆さん、ビジネスは気合いと根性だけでは成功しません。具体的な準備と計画こそが、真の成果を生む鍵です。

1. オリンピックに感化された朝礼の危険性

オリンピックの季節になると、金メダルを手にした選手たちの姿が連日メディアに取り上げられます。 それを見た上司や経営者が「諦めるな！」「気合いでやれ！」「根性を見せろ！」と、ここぞとばかりに熱血なフレーズを朝礼で唱える光景が広がる会社がいまだにあると聞きます。 しかし、スポーツ選手が勝利するために日々鍛錬を積んでいるのは事実ですが、その努力は計画的であり、専門的なトレーニングに裏打ちされています。 ただの「気合い」や「根性」だけで成果を出しているわけではありません。

一方、ビジネスの現場はさらに複雑です。 気合いや根性だけで契約が取れる時代ではありません。 これらのフレーズをむやみに使うことは、現実を無視した非現実的な期待を社員に押し付けることになり、逆効果になる場合もあります。

2. ビジネスは準備と計画が全て

金メダルを獲得するアスリートのように、ビジネスにおいても成功は一朝一夕には得られません。 アスリートが競技の日に向けて緻密な計画を立て、準備を積み重ねているように、ビジネスも同様です。 具体的な目標設定、詳細な計画、そしてその計画を実行するためのリソース配分といった要素が不可欠です。

「気合いで契約を取ってこい！」という言葉は、社員にとっては具体性がなく、実際にどう行動すればいいのかが見えません。 逆に、「どのように準備すれば成功できるのか」を具体的に示し、社員が何をすべきか理解できるように導くことこそが、リーダーシップと言えるのではないでしょうか。

3. 無謀な要求が生む組織の疲弊

金メダルに感化されて発した「気合い」や「根性」が、社員にどのような影響を与えるかを考えてみましょう。 これらのフレーズは、聞き手にとって「うざい」と感じさせるだけでなく、組織全体を疲弊させる可能性があります。無理な要求が積み重なれば、社員はモチベーションを失い、業務の質も低下します。

リーダーシップは、ただ勢いだけで物事を進めることではなく、社員一人ひとりが持つ力を最大限に引き出すことです。 そのためには、現実的で具体的な目標を設定し、社員が共感できるようなリーダーシップが求められます。 感化されること自体は悪いことではありませんが、それをどのようにビジネスの現場に適用するかが重要なのです。

EGUYAN

富山県富山市生まれ、埼玉県川越市育ち、現在も川越在住。 ワーケーションソリューション（Well is）代表 日本産業カウンセラー協会認定産業カウンセラー。 野球と旅とまいう〜と。がモットー。