ユーティリティプレーヤーは武器になる。「仕事の守備範囲」の広げ方
巨人の増田大輝選手は、内野だけでなく外野、さらには投手までこなしてきたユーティリティプレーヤーです。こうした「守備範囲の広さ」は、野球だけでなく仕事でも大きな武器になるのではないでしょうか。
仕事でも「このポジションしかできない」はリスクになる
昨日、7月21日の巨人対広島戦で、途中出場した増田大輝選手が一塁を守ったことが記事になっていました。

増田選手の本職は内野手(遊撃手)ですが、とにかく守備範囲が広い選手です。
これまでにキャッチャー以外の全てのポジションを守ったことがあります。捕手も緊急時に備えて準備していたそうです。
特に印象に残っているのが、2020年の阪神戦です。
11点差をつけられた試合で、野手登録の増田選手がリリーフ登板。投手を温存するためにマウンドに上がり、無失点で切り抜けました。
そして今回は一塁の守備。慣れていないポジションであったけど、投手を救う好プレーをしたことが記事になったのだと思います。
こういう選手がベンチにいると、チームとしては助かるでしょう。
「ここしか守れません」という選手よりも、「そこもいけます」と言える選手のほうが、起用できる場面は増えます。
これは仕事でも同じです。
一つの仕事を極めることはもちろん大切ですが、ただ、「この仕事しかできない」という状態は、会社の環境が変わったり、転職したり、独立したりしたときに、意外とリスクになることもあります。
ユーティリティプレーヤーは転職でも独立でも選択肢が増える
私はこれまで仕事で、SE、派遣社員としての事務、人事全般、総務全般を経験してきました。
メインの仕事ではありませんが、広報やIRに関わったこともあります。
社外では市民大学に参加し、地域活性化にも取り組んできました。
職種だけでなく、立場もいろいろです。
ヒラ社員はもちろん、派遣社員も、中間管理職も経験しました。
私もずいぶんいろいろなポジションを守ってきたなと思います。
もちろん、ポジションが変われば簡単に対応できるわけではありません。
同じ「人事」という職種でも、会社が変われば仕事の進め方は違いますし。
採用のやり方も違えば、人事制度も違いますし、社内文化も違います。
即戦力として新しい会社に入ったとしても、その会社なりの仕事のしかたに慣れる必要があります。
それでも、経験している業務の幅が広いことは、キャリアを考えるうえで武器になります。
たとえば、人事の仕事でも採用しか経験がなければ、転職するときは採用担当の求人が中心になりがちです。
採用に加えて、労務、人事制度、人材育成などの経験があれば、応募できる仕事の範囲は広がります。
独立する場合も同じです。
「採用の専門家」として特化する道もありますが、一方で、人事全般の知識や経験があれば、お客様から採用以外の相談を受けたときにも対応できます。
仕事の守備範囲が広いほうが、食いっぱぐれにくいともいえます。
何か一つの仕事がなくなっても、別のポジションで仕事ができるからです。
私自身、SEとして働いた経験があるからITの話がわかりますし、人事や総務を経験したから組織を見る視点もあります。
さらに中間管理職を経験したことで、社員側だけでなく、マネジメント側から考えることもできます。
一つひとつの経験が、別々に存在しているわけではありません。
後になってつながることがあります。
これが、ユーティリティプレーヤーとして働く強みだと思っています。
何でも屋ではなく「軸のあるユーティリティプレーヤー」を目指す
ただし、何でも経験すればいいわけではありません。
「何でもできます」と言いながら、どれもほとんど経験がないのでは、単なる何でも屋になってしまいます。
大切なのは、自分なりの軸を持ちながら守備範囲を広げることです。
私の場合は、人事と総務が同じ部だったので、人事と総務のどちらかを選任していたわけではありませんが、今の仕事が人事なら、人事を軸にしながら総務を経験してみる。
採用を担当しているなら、労務や人事制度についても知っておく。
(中間)管理職になったら、自分の部署だけでなく、経営や他部署の視点から会社を見る。
そんなふうに、いきなりまったく違うポジションへ行くのではなく、まずは隣のポジションまで守備範囲を広げてみるのも一つの方法です。
仕事は、いつまでも同じ環境で続けられるとは限りません。
会社が変わることもあれば、仕事内容が変わることもあります。
転職するかもしれませんし、独立するかもしれません。
そんなとき、
「私はこれしかできません」
よりも、
「これが得意ですが、こっちも経験があります」
と言えるほうが強いはずです。
専門性を持つことと、ユーティリティプレーヤーになることは、相反するものではありません。
自分の得意なポジションを持ちながら、必要とされれば別のポジションにも入れる。
そんな人は、組織にとっても貴重ですし、自分自身のキャリアの選択肢も増やせます。
増田大輝選手が慣れない一塁を守り、そこで仕事をしたように。
仕事でも、自分の「守備範囲」は少しずつ広げておいたほうがいい。
昨日の記事を見ながら、そんなことを考えました。

